欒 殿武・柴田幹夫[編著]
定価4,620円(税込)
A5判 552ページ 並製
ISBN978-4-903281-55-1 C0023
日華学堂に関する日誌を基に、清末の留日学生史の一端を解説。日華学堂の学生たちを通じて、留学生派遣の背景、学堂の教育と経営、学生たちの生活、留学中の勉強と活躍、帰国後の活動などから、高楠順次郎を始めとする教員たちの献身的な教育活動と、学生たちの成長を明らかにしている。
【目次】
◎第Ⅰ部 日華学堂とその時代
Ⅰ 留学生派遣の背景
Ⅱ 日華学堂の教育と経営
Ⅲ 日華学堂の学生たちの生活
Ⅳ 日華学堂の学生たちのその後
◎第Ⅱ部 資料編
【著者紹介】
■欒 殿武(らん・ひろたけ)
千葉大学大学院社会文化科学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。武蔵野大学グローバル学部教授。主な著書に『漱石と魯迅における伝統と近代』(勉誠出版、2004年)、「中国人留学生の日記から読み取る日常生活:下宿屋という都市空間を中心に」(『中国人留学生と「国家」·「愛国」·「近代」』東方書店、2019年)、『中国絵画史』(訳書、上海書画出版社、2020年)、「从『日華学堂日誌』的視角解読日華学堂的宿舎管理和外出」(『佛教、歴史、留学交流視角下的近代東亜和日本』博揚文化、2021年)などがある。
■柴田幹夫(しばた・みきお)
龍谷大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。博士(学術)広島大学。高雄大学兼任教授、佛光大学仏教研究センター客員研究員。元新潟大学留学センター准教授。主な著書に『大谷光瑞の研究―アジア広域における諸活動―』(勉誠出版、2014年)、『興亜揚佛:大谷光瑞與西本願寺的海外事業』(博揚文化、2017年)。『台湾の日本仏教―布教・交流・近代化―』(編著、勉誠出版、2018年)、『大谷光瑞とアジア—知られざるアジア主義者の軌跡』(編著、勉誠出版、2010年)などがある。
■呂 順長(ろ・じゅんちょう/ Lv Shunchang)
浙江大学人文学院博士課程修了、博士(文学)。浙江工商大学東方語言與哲学学院教授、国際日本文化研究センター外国人研究員。主な著書に『清末維新派人物致山本憲書札考釈』(上海交通大学出版社、2017年8月)、『日本近代文書解読入門』(浙江工商大学出版社、2020年4月)などがある。
■楊 柳(よう・りゅう/ Yang Liu)
名古屋大学文学研究科博士後期課程修了。博士(歴史学)。西安交通大学外国語学院専任講師。主な業績に「江戸時代における唐船風説書の研究」(富士ゼロックス株式会社小林基金2016年度在日外国人留学生研究助成論文)、中国教育部人文社会科学研究青年基金「日本江戸時代後期における長崎唐通事の動向について」(課題番号19XJC770013 研究代表、2019年~)、中国中央高校基本科研業務費専項資金「東渡と西遷:近代知識人の歴史記憶に関する研究」(課題番号:SK202104 研究代表、2021年~)などがある。
■麓 慎一(ふもと・しんいち)
北海道大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。佛教大学歴史学部教授。主な著書に『近代日本とアイヌ社会』(山川出版社、2002年)、『開国と条約締結』(吉川弘文館、2014年)などがある。
■王 鼎(おう・てい/ Wang Ding)
新潟大学大学院現代社会文化研究科博士後期課程修了。博士(文学)。北京師範大学教育学部助教、神奈川大学客員研究員。主な著書に『佛教・歴史・留学—交流視角下的近代東亜和日本』(編著、博陽文化出版、2021年)、「清末における湖北省の軍事留学生―成城学校・陸軍士官学校を手がかりとして」(『環日本海研究年報』第25号、2020年3月)などがある。
■胡 穎(こ・えい/ Hu Ying)
神奈川大学外国語学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。神奈川大学、東洋大学など非常勤講師。主な著書に『清末の中国人日本留学―派遣と経費を中心に』(学術研究出版、2021年)、「留学経費を中心に見る清末直隷省の留日学生派遣」(『中国研究月報』第819号、2016年)「清末湖北省早期留日学生の派遣及び経費調達―1898年~1906年を中心に」(『台湾与東亜―跨域青年学者近代史研究論集』稲郷出版社、2016年)などがある。
■鄭 海洋(てい・かいよう/ Zheng Haiyang)
早稲田大学社会科学研究科修士課程修了。西安交通大学日本校友会副会長兼秘書長。交通大学設立120周年記念事業『留日交大人』(清末から交通大学に関連する留日経験者の資料調査及びイベント開催)の企画推進担当。主な著書に「日中友好の種を埋めた旅、やがて樹となり森となるでしょう」(『重返鑑真路—2008年鑑真記念· 逆渡航日中青年交流活動』(社会科学文献出版社、2009年)。
■呂 程(りょ・てい/ Lv Cheng)
広島大学人間社会科学研究科博士後期課程在学中。主な著書に「淺論求是書院與日華學堂的成立以及早期中國人留日學生的派遣」『佛教、歴史、留學交流視角下的近代東亜和日本』( 博揚文化、2021年)などがある。
■郭 夢垚(かく・むぎょう/ Guo Mengyao)
神奈川大学外国語学研究科博士後期課程在学中。主な著書に「清末中国人日本留学生の初期活動について――励志会と訳書彙編社を中心に」(『中国人留学生と「国家」・「愛国」・「近代」』東方書店、2019年)、「湖広総督張之洞之孫張厚琨的日本留学」(『佛教・歴史・留学—交流視角下的近代東亜和日本』博揚文化、2021年)、「清国留学生会館の設立と励志会・訳書彙編社との関係について」(『中国研究月報』第885号、2021年11月)などがある。